風もなく人影もまばらな墓地にも春が来ていた
霞んだ対岸をバックに生前母が畑から移した水仙が咲いていた
百金の安価な線香なのか中国産だからだろう
いやつなぎが強い成分が入っているのだろうか
雨に打たれ自由気ままに曲がりくねった線香を片付け近況報告
古墓と共に親戚のお墓にも顔を出せば
道中すっかり変わった墓事情
至る所かつてあった道がなくなっている
仕方なく墓を突っ切る
石屋がそうさせたのか、その家が勝手に行ったのか
見栄えと強欲がそうさせたことに違いはなく
やがて罰が当たるだろう などとは自分も歳をとったものだ
天災や罰は忘れなくてもやってくる