改正公選法の真の目的も説明されることなく
選挙制度の説明のみで終わらせてしまう危うさ
わかりやすい?なる池上彰氏でさえ「新聞を読めば各候補がどんな主張をしているかが分かる」
などとあいまいな回答しかできず
もはや金星人と化した症状がうかがえる
そんな中社会貢献推進機構理事長児玉克哉さんの意見が面白い
若者のみならず刹那的有権者にも一読の価値あり
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【参議院選挙、各政党の重点政策~政策論争なき選挙は不毛だ】
参議院選挙が近づき、各政党の重点政策が出揃ってきた。一時期は「マニフェスト」という言葉が飛び交ったものだが、民進党でさえほとんどマニフェストという言葉を使っていない。選挙公約をマニフェストに変えたら日本の政治は良くなる、という主張があった。しかし結局はそうした言葉遊びでは政治の本質は変わらなかった。選挙公約と言おうとマニフェストといおうと重点政策というと構わない。政治の方向性を明確にし、具体的な政策が掲げられ、そしてそれが実行されること。これに尽きる。
自民党、公明党、民進党、共産党などの重点政策をみてみた。共産党はこれまで同様、方向性は明確であり、また政策も具体的で明快だ。それを実際に実行したらどうなるか、については評価は分かれるだろう。政権を実際に担うポジションにまでなると当然、修正はあるだろうが。
問題は、自民党、公明党、民進党の間でそれほどよく違いがわからないことだ。
まずは自民党の重点政策をみてみよう。
自民党重点政策 ~この道を。力強く、前へ。~
*「景気の好循環」を、さらに加速
*世界の中心で動かす外交
*一億総活躍社会へ!
●GDP600兆円の実現を目指します
●一億通りの輝き方を支援します
●地方創世の実現を目指します
●災害に強い国づくり
驚かされるのがトップのイメージ写真にオバマ大統領と安倍首相が広島の慰霊碑の前で握手している写真が使われていることだ。安倍首相はタカ派とみられ、好戦的という批判がある。このイメージ写真は「積極的平和」をアメリカと実践する自民党という印象を与える。ある意味、凄い。
そして、ほとんど安全保障問題について書いていない。細かくみてみると確かに防衛政策も書いてあるが、ほとんど目立たないくらいの記述だ。「世界の中心で動かす外交」という括りの中に入るのかもしれないが、そこでは伊勢志摩サミットの写真やプーチン大統領との対話の写真などが載っている。素晴らしいイメージ戦略だ。ちなみに憲法改正についてはほとんど書かれていない。
公明党はかなりわかりやすく文章で書かれている。
公明党重点政策 ~希望がゆきわたる国へ。~
1.景気に力強さを。実感を「地方」「中小企業」「家計」へ
2.若者・女性が活躍できる希望社会へ
3.安心できる社会保障実現へ
4.平成28年熊本地震、東日本大震災からの復興へ
5.安定した平和と対話の対外関係
6.政治改革と行財政改革
安定した書き方だ。ここではたと考えてしまう。民進党の重点政策と公明党の重点政策と何が違うのだろうか。公明党の重点政策1はまさに景気の回復を地方、中小企業、各家庭にまでゆきわたらせることである。ほぼ民進党のものと重なる。民進党は経済発展においての教育の役割をもっと強調しているというくらいの差だ。5の安定した平和と対話の対外関係も民進党の外交政策とかなり重なる。イメージと表現の違いくらいしか違いがよくわからない。
民進党の重点政策は、安倍政権を意識してアベノミクスの失敗と憲法改正を阻止すべきという主張に焦点をあてている。
民進党重点政策 ~ 人からはじまる経済再生。~
1.ふつうの人から 豊かになる経済
2.チルドレン・ファースト 子ども第一
3. 働く人を守る、 働き方を変える
4.女性の声で 社会を変える
5.シニア世代の 安心を守る
6. 次世代に ツケをまわさない
7.地域経済を 立て直す
8.被災地復興と 防災力の強化
9.国を守り、 世界に貢献する
10.憲法の 平和主義を守る
11.国民の自由と 人権を守る
民進党は安倍政権を意識しているものの、具体的な方向性、政策で決定的な違いが分かりにくい。1では経済政策について書いている。配分のあり方も問題にしているが、これを実際に実行するなら税制の問題も根本から変えなければならないだろう。北欧型の福祉国家を目指そうというのだろうか。それなら高負担も当然考えなければならない。個々の経済政策の多くは自民党や公明党の政策とかなりは重なる。9の安全保障問題も日米関係の深化を主張しながら集団的自衛権には反対というのであれば、もっと明確に防衛イメージを作って欲しいと思う。民進党は野党で、いわば挑戦者。方向性をもっと明らかにしてもらいという気持ちはある。
この点、共産党の方向性は明確だ。
共産党重点政策
目標1 野党と市民の共闘を成功させる
目標2 日本共産党の躍進
重要政策
1.安保法制=戦争法廃止、立憲主義の回復、安倍改憲を許しません
2.格差をただし、経済に民主主義を――三つのチェンジを訴えます
*第1のチェンジ――税金の集め方を変える
*第2のチェンジ――税金の使い方を変える
*第3のチェンジ――働き方を変える
3.TPPに断固反対します―― 食の安全・安心と地域経済に責任を持つ政治に
4.原発ゼロの日本に、再生可能エネルギー先進国をめざします
5.基地のない平和な沖縄を―― 米軍新基地建設押しつけを中止します
6.女性の尊厳、人権の保障、自由と民主主義を発展させます
7.災害から国民の生命と財産を守る政治に
目標1に野党と市民の共闘を成功させるとある。野党の連携を重視している姿勢がうかがえる。かつての共産党とはかなり違うというイメージだ。安全保障、格差是正、TPP、原発、米軍基地などについてもはっきりとした方向性がある。
残念なことは、こうした「重要政策」はほとんど有権者の目に触れることがないということだ。各政党のホームページを訪れてかなり読み込むくらいしかない。私はできれば公開討論会でこうした各政党の政策をしっかりと国民に訴えて欲しいと思っている。
政策なき選挙は不毛だ。もうすぐ告示になる。そうすれば名前の連呼と握手が中心の選挙戦に突入する。政策よりもイメージ、マニフェストよりも笑顔が勝負になる。特に自民党、公明党、民進党の政策には突っ込みどころが満載だ。 重要なポイントが隠されていたり、誤魔化されていたりする。それだけにしっかりと議論をする場があり、国民も一緒になって考える機会が必要だ。
児玉克哉
社会貢献推進機構理事長
三重大学副学長・人文学部教授を経て現職。愛知大学国際問題研究所客員研究員。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。連絡先:kodama2015@hi3.enjoy.ne.jp
小生のF/Bに転載させて、頂きました。