【P.ANGENIEUX PARIS TYPE F.28 1:3.5 RETROFOCUS TYPE R11】

1950年【Retrofocus(レトロフォーカス)】なる商品名でAngenieux社がレンズを発明。
img614
標準レンズの前にアフォーカル系を加えることによりバックフォーカスを焦点距離よりも長くした光学系は広角系の基本であり、逆レトロは現在のコンパクトカメラの主流となっている。(*無論魚眼レンズの基本形にもなった。)

1950年 35mmF2.5 凹凸 + Tessar = 5群6枚
1954年 28mmF3.5 凸凹凸 + Triplet = 6群6枚

「P.ANGENIEUX PARIS TYPE F.28 1:3.5 RETROFOCUS TYPE R11 N-589108」をNikonF-mountに・・・

フランジバックが短いことより無論アダプターなどあるわけがない。
だからして挑戦したくなるのがエンジニアなるもの
種々なる工夫を施し本体を改造することにより大幅な形状変化もなく完成。
●DSCN6744●DSCN6754
となれば性能は・・・
通常は近軸測定、実写試験にて出荷なのだが個人的興味からMTFも計測してみることに
25F3.5Tan28F3.5 Sag
無論コンピュータのなき頃の手動設計であるからして収差補正は十分とは言えず、かなりのコマフレアも残っている。
でもこのコマフレアがこのレンズの空気感的描写を演出していることは言うまでもない。
30本/mm30%以上も十分に人間の目の分解能をカバーしきっている。

そのご日本のメーカはこのレンズを元にコンピュータを用いて設計改良。
その代表が4年後のロッコール28mmF3.5(6群6枚)となった。

何ごともパイオニアの発明過程が重要であるのだが・・・
実際は金力に任せ数値的に優れた物(ハイスペック/ローコスト)が評される。
無論アンジェニューの光学設計者も収差補正に躍起になったに違いない。
それとも意図してコマを残存収差として残したのかは知る術もない。
DSC02568
でもこの画質を見れば、いや他のANGENIEUXレンズの画質を目にすれば
意図してこの空気感的描写を演出したとさえ思えてくる。
日本に居ながらにしてPariの空気を写し込むことができるレンズ
だから今も根強い人気を博すのかもしれない。

カテゴリー: NEWS, 長岡暢の視点 パーマリンク

【P.ANGENIEUX PARIS TYPE F.28 1:3.5 RETROFOCUS TYPE R11】 への1件のコメント

  1. 小泉 正幸 のコメント:

    理論は、難しくてさっぱり解らないが、内容的には、オオディオに何となく通ずるような
    気がしますが、如何でしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です