昔、野良犬にも野良猫にもみな自我があった。
野良犬には生き様が見えた。
それに比べ野良猫はどこかにすがりが見えた。
だから犬が好きだった。
それがどうだろう。
いつしか従順してしまったのは猫ではなく犬たち。
もうどこにも野良犬はいない。
そのせいなのか野良猫がたくましく見える。
それは現代の男と女に似ている。
周りを見ても野良犬のままの男性はどこにもいない。
皆お座敷犬と化してしまった。
磯野波平が最後だったのか。
猫は相変わらず好き勝手している。
世の中がどんなに野良猫だらけになっても
野良犬のまま逝きたい。